◆株式売却を終えて
私、大阪で貿易商社を経営しておりました山田(仮名)と申します。
21年前に勤めていた会社を退職して会社を興しました。当初は全く先が見えず、ソファーに寝転び一体これからどうなるのかなーとため息混じりに不安に思ったのがまるで昨日のように思い出されます。前半の10年は何とか輸出をベースに商売は拡大しました。1995年に急激な円高を迎えた後、後半10年は輸入に劇的に転換した事にも助けられこれまで無事やって来られました。
創業から20年経過した今、弊社を応援して頂いている数多くのお客様に対して突然会社を閉じますとい云う事は当然社会的責任上出来ません。それ故ここ数年の最大の悩みは後継者問題でした。
一度は息子が入社しましたが、親子の関係が会社では上司と部下の関係になり、どちらにも心の奥では甘えている点もあり絶えず衝突する日々が続き、とうとう息子が退社する事になりました。これは創業時から一緒に働いてきた家内にはとても大きなショックでした。これを契機に事業に対する情熱を徐々に失って、夢を追ってきたのに自分の仕事で家内共々毎日暗い日々を送っていました。反面、業績は毎年増収増益を続けていたのですが、とうとう最善の策として会社売却を決意しました。
丁度その頃、M&Aといえばライブドアを中心に敵対的な悪いイメージが主流となっていました。色々な方にお会いしてお話を伺っている時に、今回の仲介をお願いした小柴先生に出会いました。最初に“Happy M&A”が目に留まり、お会いすると実直で、経験豊富で、明確で、信頼感を彷彿させておられ、独立して事務所を経営しておられる姿は自分が創業した時を思い出し、即座にお願いすることに決めました。
本当に縁にも恵まれたのか買収相手に最初にお会いした時、直感的にいい感じがしました。
後は“河が流れるままに”互いの信頼関係でスムースに事が運びました。新社長は、従業員のこともとても大切に考えてくださり、私の右腕として働いてきてくれた社員を取締役に抜擢して頂きました。女性社員たちも生き生きと働いています。私も会長として残り新社長の補佐と事業引継ぎに邁進しており、以前にも増して溌剌と忙しい毎日を送っています。息子も自分のやりたい仕事を見つけ生き生きとしています。家内も売却後は背負っていた大きな荷物を下ろした時の様にほっとしているようです。
従業員8名で、売上12億の小さな輸出入商社ですが、2006年度は更に15%程の伸びを見込まれています。良き縁に拠り、良き運に恵まれ、良き感を働かせ、素早い動きで本当に関係する全ての人がHappyと感じられる事業継承が実現出来たと喜んでいます。今は新社長の下で新しく出発した会社がもっと大きな夢(上場?)を実現してくれる事を夢見て以前よりとても気楽(?)な気持ちで働いています。
今の私たちには、この気楽さは何よりも貴重な宝物です。
2006/03
|