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2つのジンクス

私の経験上、M&Aに関して、2つのジンクスがあります。
具体的には次のものです。
①M&Aスタート時の着手金をいただけなかった場合には、M&Aが成約しない
②仲介業者が売り手・買い手で分かれた場合には、M&Aが成約しない

まず、①についてですが、着手金をいただかずにM&Aをスタートすることは、ほとんどないのですが、ごくまれに売り手の社長が、何らかの理由(例えば、成約するかどうかわからないものにお金を出せない等)で、着手金は支払わないというケースがあります。通常、着手金をお支払いいただけない場合、受託しませんが、おもしろそうな案件や紹介者との関係で、お引き受けすることがあります。
ただし、そういう案件では、今まで成約したことがありません。なぜなのか?よく考えてみると次の2つの原因が考えられます。
1つは、着手金を支払わないということは、大変な労力が必要なM&A仲介業務についてご理解いただけないということで、そういう社長のためには、私は働きたくないという深層心理が働いているのではないか?
もう1つは、売り手の社長の心理として別に費用もかかっていないので、M&Aに真剣に取り組まなくてもよく、いつでもキャンセルすればいいという考えがあるのではないか?

ある時、着手金をお支払いいただけなかった社長にある共通点があることに気付きました。
それはM&Aの最終段階で一旦決めている条件を変更してくるというものです。たいていは、譲渡希望金額を上げてきます。ひどいのは、買い手が興味を示しているのをいいことに「やっぱり売るのをやめようかな?」と言い出したり、仲介業者に内緒で勝手に別の買い手候補と検討し出したりするケースがあるということです。
これでは、買い手はたまったものではありません。我々仲介業者もさんざん時間と費用をかけているのに・・・売り手との信頼関係は見事に崩れ去るのです。
結論として、どんなにおもしろい利益の出ている案件でも社長の性格上、M&Aができないケースがあるのです。我々仲介業者も成功報酬体型で業務を行っている以上、この社長のためになんとしても成約させてやるという意気込みが原動力となるのです。

次に②についてですが、欧米では仲介業者が売り手・買い手の双方に付いていて、仲介業者同士が交渉するというスタイルを取るのが一般的なのですが、我が国では、大企業同士の案件を除き、仲介業者1社が売り手とも買い手とも契約し仲介するのが一般的です。よって、いい案件は自社で仲介し、悪い案件だけ他の仲介業者と共同でやろうとすることが成約しない一番の原因です。また、仲介業者が分かれると報酬も1社からしかいただけないので、より多く報酬をもらうため、売買金額等の落としどころを考慮せず、買収希望価額と売却希望価額が開いてしまうのも成約しない原因となっています。
この問題を解決するには、仲介業者同士が何度も一緒に仕事をして仲良くなり、お互いの仲介スタイルを理解する必要があります。
この売り手・買い手の仲介業者が分かれて仲介する案件をどんどん成約させるのが、今後の私の課題です。
因みに私は、売り手または買い手に仲介業者が付いていない場合、その売り手または買い手と直接交渉することがありますが、仲介業者が分かれた場合は、今まで1件しか成約していません。


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