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アフターM&A

通常、M&A仲介者の仕事は、M&Aの最終契約が締結されるまでとなっています。それは、成功報酬という報酬体系もその理由ですが、M&A後に仲介者が首を突っ込むよりも当事者が何でも話し合って決めてくださいという考えがあるためです。ただし、お互いの情報不足からM&A後にちょっとしたトラブルが発生することは多いのですが、M&A後のトラブル対応をしたくないと考えるいい加減な仲介者もいます。
M&A後の重要なトラブルについては、仲介者と買い手企業とのアドバイザリー契約の内容にかかわらず、仲介者がトラブル解決のために仲裁に入る道義的責任があると思います。トラブルがあっても知らぬ存ぜぬという悪質な仲介者(これをブローカーと呼び、きちんとしたM&A仲介者と分けることもあります)は、社会的に大きな影響を及ぼすこともあるM&A仲介の資格なしといえます。ただ、残念なことに業種(病院や産業廃棄物処理業等)によっては、そういうブローカーがいるのも事実です。
M&Aは、違う文化の企業同士の融合であるため、結婚と同じで多かれ少なかれM&A後のちょっとしたトラブルは付きものです。仲介者はこれらのトラブルが大きくならないうちに解決する努力が必要となります。
我々はこれを「メンテナンス」とか「アフターM&A」といって通常のM&A仲介業務と区別しています。

M&Aが一般化してきたとはいえ、M&Aに慣れている会社同士が直接交渉することは稀で、買い手も売り手もM&Aに慣れていないケースがほとんどです。ましてや中小企業のM&Aとなるとさらにその傾向は強くなります。
買い手は、M&A前にリスクの検討を行いますが、買収を行った後、いろいろなトラブルに遭遇します。よって、M&A仲介者としては、M&A後に起こりうるトラブルを事前に買い手に説明し、そのトラブルに備えて準備をしてもらう必要があります。
M&Aのメリットばかりを強調し過ぎると実際何かトラブルが起こったときに「こんなはずではなかった」と買い手は、売り手や仲介者を責めたくなりますが、そうならないためにもM&Aのメリットとデメリットの両方を考えて最終契約を締結することが必要です。仲介者もM&A後に発生しがちなトラブルの実例を多く説明し、トラブルのない仲介を心掛けるべきです。

私は、①自らの仲介責任を果たすため、②トラブルの少ない仲介をするため、③今後もより精度の高い最終契約書を作るため等の理由から、M&A後も定期的に買い手と売り手を訪問し、何か問題が発生していないかを聞いています。これは、結構勇気が要るものです。
例えば、大工は、自ら建てた住宅に雨漏りがないか気になるところですし、医者は自らが行った手術の経過が良好か気になるところです。
ただ、業種を問わず、責任を持って仕事をしているプロは、自らの仕事の成果を見届けるということをしていると思います。その結果、失敗した点があればすぐに修正し、次回はそうならないよう努力していると思います。
私も自分が仲介した案件がその後うまくいっているかどうか非常に気になります。
この業界に入ってはじめて仲介した案件(高級弁当屋さんを上場会社が買収)で、1年後に買い手のM&A担当者から「当時はそのブランドが欲しくて、安く買ったつもりが、M&A後の戦略がうまく進まなかったために(借金も多く付いていたので)結局高い買い物だった」と言われたことがありました。この件以降、買い手へのリスク説明を重視し、アフターM&Aも重視するようになりました。

著名な陶芸家が、腕が未熟だった時代に作った作品を後に自ら買い取って壊しているという話を聞いたことがありますが、やはり、自分の失敗作が世の中に存在することが我慢ならないという心境と同じで、私も自分が仲介した企業が後でおかしくなったと言われたくありません。この思いは、売り手も同じです。

私の行うアフターM&Aはすべてサービスですが、1つ事例を紹介したいと思います。
サラリーマン時代に仲介した大型病院の案件では、建築基準法上の接道義務の問題で、そのままでは建て替えができませんでした。そこで、M&A後、最終契約書での取り決めに基づき、病院に隣接する水路に橋を架けて病院への道路を新しく造った(約7,000万円の工事)のですが、この交渉は約1年掛かりましたが、これもすべてサービスでした。

ここで、M&A後にありがちなちょっとしたトラブルを紹介しておきます。
①買い手は、そもそも余分な人員を抱えておらず、M&A後に充分な能力のある人員を売り手企業に送り込めず、また、売り手企業の社員に対して適切な指示が出せず、買いっぱなしの状態になる。
②売り手の社長が、M&A後その会社に会長や顧問として残ったものの、時間が経ってくると徐々に元部下が「引退したのだから早く会社から出て行ってくれ」といわんばかりの冷たい対応になってきた。

上記の対応方法は、いくつかありますが、①については売り手企業に派遣する充分な人員がいない場合は、いい人が見つかるまでM&Aを延期するとか買い手の社長が自ら乗り込むことも検討する必要があります。
②については、売り手の社長に引継業務のために残っていただく期間をあまり長くしないように注意する必要があります。今までの経験から3~6ヶ月が適当と思われます。うまく引継ができるかどうか不安なため引継期間を1年以上にしているような場合は、逆にトラブルの原因になったりするものです。

最後にそのM&Aが良かったか悪かったかは、M&A直後には答えは出ず、少なくとも3年後の会社の状況で判断すべきではないかと思います。
私は、おそらく日本一アフターM&Aを重視する仲介者ではないかと思っておりますが、今後も自らが仲介した企業を訪問し続け、M&A関係者から「ハッピーM&Aだった」と言っていただきたいです。(*^_^*)


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