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「ハイリスク・ハイリターンの嘘」

投資会社(ファンド)の営業マンがよく使う言葉に「ハイリスク・ハイリターン」があります。素人は「ハイリスク」の部分を重視せず、この「ハイリターン」という魅力的な言葉に誘惑されて投資を行ってしまうことがあります。しかし、フタを開けてみれば、ほとんどの投資家が損失を被っています。プロの投資家以外は「そもそもハイリスク・ハイリターンな商品なんかない」と考えた方が良いと思います。
普通預金のようにローリスク・ローリターンなものはありますが、一般的にハイリスクとハイリターンのバランスは同じではありません。別の言い方をするとリスクの割にリターンが少ないといえます。もっと言うとハイリスクの商品は、ほとんどノーリターンで損失だけが発生してしまいます。
ハイリスク・ハイリターンの代表的なものに上場を希望している未上場会社の株式があります。
未上場会社の株式は、あまり流通しないものですが、上場したとたんにいつでも売買できるようになるため、多くの投資家の思惑が一致すれば、投機的な株価になり上場前からの株主はハイリターンを得る場合があります。ただし、それは上場できたとしてもごく一部の上場会社だけの話で、投資金額が10倍以上になるような話は、滅多にありません。
私は今まで、上場したいという社長に100人以上会ってきましたが、実際に上場できた会社は3社で、倒産した会社は10社ほどあります。30歳代で自殺した社長や夜逃げした社長もいます。私もお付き合いで2社の未上場株式を買い、その後の様子を見ていますが、2社とも上場できる内容ではありません。
景気の良い時期は、公認会計士仲間でも、株式上場でかなりのキャピタルゲインを得た人がいましたが、最近はこういう話をほとんど聞かなくなりました。
もし、「未上場会社の株式を買わないか?上場間近なので、上場すると株価が○倍になる」というような話を聞かれた場合、損失を被らないためには、その会社は上場できないと考えた方が良いと思います。
さて、私が仲介しているのも未上場会社の株式ですが、M&A交渉の際、ハイリスク・ハイリターンという言葉を使ったことは一度もありません。なぜなら、そもそもハイリスクな会社を扱わないということと良い会社の判断基準として、安定性(=目立たず地味に儲けている)を重視しているからです。
今まで何度か買い手候補として投資会社(投資ファンド)に声を掛けたことがありますが、投資会社の判断基準で良い会社とは、成長性のある会社です。今は赤字でも将来、業績が急激に良くなるかもしれない会社に積極的に投資しています。
その結果、投資先のほとんどが上場見込みのない赤字続きの会社であったということになっていると思います。そもそも赤字体質の会社が業績をぐんぐん伸ばすのは滅多にないことです。
結局、投資先の90%以上が上場できないという場合が多いと思います。
では、なぜこうなってしまったかというと将来の事業計画を右肩上がりに作ってしまい、それを信じて投資を行ったからです。
私の投資先でも毎年赤字を続けているのに事業計画だけは右上がりの立派なものを作っている社長がいます。これは一言でいうと「絵に描いた餅」にすぎないのです。作った方が悪いのか信じた方が悪いのか・・・
M&Aの場合、買い手がどれだけ経営資源を投入して本気でやるかによって、売り手企業の業績は大きく変わります。つまり、事業計画は本来買い手が作るもので、売り手が作るものではないのです。
私は、「ハッピーM&A」が信条で、M&A後に売り手と買い手にトラブルが発生しないよう人一倍気を遣っています。そして、トラブルが発生しないような会社をいい会社として評価しています。安定的に売上と利益が計上され、社長が不在でも意識の高い従業員が社長の代わりにがんばっている。こういう会社は私も買収してみたいと思うことがあります。
いい売り手とM&A後に本気でがんばる買い手が一緒になるとトラブルも少なく、ハッピーM&Aになりやすいのです。
M&Aをハイリスク・ハイリターンなものにしたくはありません。いいM&Aは、ローリスク・ミドルリターンなものです。


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